ブラックダイヤモンドブリッツ28と20を徹底比較|用途別に選ぶ最強アタックザック

ブラックダイヤモンドのブリッツシリーズは、軽量性と機能性を両立したアタックザックとして、多くの登山者・クライマーから高い評価を受けています。特に、ブリッツ28とブリッツ20は用途や目的に応じて選ばれる人気モデルであり、その絶妙なサイズ感と設計思想が注目されています。

  • UL装備にこだわる縦走登山者
  • アルパインスタイルを志向するバリエーション登山者
  • 雪山やアイスで軽快な動きが必要な冬季登山者

そんな多様なユーザーに支持されている理由には、素材の強靭さ・軽量性・ギアホルダーの豊富さなど、技術的にも戦略的にも優れた点が存在します。また、ザック自体が「サブザック+行動用メインザック」という位置付けで扱われることも多く、アタック系ギアの定番となりつつある存在です。

本記事では、ブラックダイヤモンド ブリッツシリーズの特徴・構造・機能・素材・活用法を徹底的に解説し、購入を検討しているユーザーが迷わず選べるように、レビューやユーザー体験談も交えて構成しています。

また、他社製ザックとの比較や弱点も包み隠さず整理。機能性や重量だけでなく、実際の使用感まで分かる内容に仕上げています。初心者から上級者まで、幅広い登山スタイルに適したアタックザック選びの参考にしてください。

ブラックダイヤモンド ブリッツ28 の特徴・レビュー

ブラックダイヤモンド ブリッツ28は、軽量性・シンプル構造・ギア対応力を高いレベルで両立したアタックザックで、多くのアルパインクライマーやUL志向の登山者に支持されています。容量28Lというサイズは、1泊山行やアイゼン・ピッケルなどを装備する雪山でも対応できる絶妙な設定です。見た目は非常にスリムですが、実用性に優れたディテールが詰め込まれています。

ブリッツ28のスペック(容量・重量・素材など)

  • 容量:28リットル
  • 重量:約398g(取り外し可能な部品を除いた本体のみ)
  • 素材:UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)混紡のナイロンファブリック
  • 撥水加工:PFCフリー DWR(耐久性撥水)加工

非常に軽く、かつ耐摩耗性にも優れているのが特徴で、テクニカルな登攀中でも気兼ねなく使える設計となっています。

背負い心地と耐久性の評価

背面には取り外し可能なパッドが挿入されており、軽量性を重視するなら抜くことも可能。パッドを外しても背中に干渉しない縫製構造となっており、アルパインザックらしい設計思想が感じられます。ショルダーベルトには通気性のある素材が用いられ、蒸れを軽減しつつも肩への負担が分散されるよう工夫されています。

雨蓋や小物ポケットの構造

トップはシンプルなドローストリング式ですが、上部にはジッパーポケット付きの雨蓋があり、地図や行動食、ヘッドライトなど小物類を収納するのに適しています。また、内部にはハイドレーションスリーブとホース出口があり、長時間の山行にも対応。小物の整理には向いていないものの、最低限の便利さを保ちつつミニマル設計がされています。

ピッケルホルダー・ロープストラップなどのギア機能

ブリッツ28の大きな特長が、豊富なギア対応機能です。

  • アイスツール(ピッケル)用アタッチメント
  • フロントにロープ固定用ストラップ
  • 側面コンプレッションベルトなし(ただし軽量化に貢献)

特にアイスツールホルダーは、しっかり固定できつつグローブをしたままでも操作しやすい設計です。アイスクライミングや残雪期の縦走にも適しています。

軽量化とサブザックとしての使い方

ブリッツ28は本体のみで約398gという軽さですが、背面パッド・チェストストラップ・ウエストベルトなどはすべて取り外し可能。そのため、数十グラム単位での調整が可能であり、「本当に必要なものだけを背負いたい」というUL派に刺さる構造です。

また、コンパクトに丸めて収納できるため、縦走登山でメインザックの中に忍ばせておき、アタック時に取り出すといった使い方も可能です。こうしたパッカブル性は、ブリッツシリーズならではの魅力でしょう。

ブラックダイヤモンド ブリッツ20 の概要とレビュー

ブリッツ20は、ブリッツ28を一回り小型化したミニマルモデルです。容量20Lというサイズ感は、日帰りのアルパインクライミングや夏季のピークハントなど、短時間で必要最低限の装備だけを持ち歩くシチュエーションに適しています。

容量・重量・素材の詳細

項目 詳細
容量 20リットル
重量 約360g(パーツ取り外し時)
素材 UHMWPE混合ナイロン

素材自体は28と同様に軽量で強靭ですが、容量が少ないためさらに軽く、よりスピードを意識した山行に向いています。

クイックシンチクロージャー(開閉システム)

開口部は独自のクイックシンチクロージャー構造となっており、コードを引くだけで開閉が可能。グローブ装着時でも容易に扱えるよう設計されており、手袋を外す必要がないというのは冬季登山者にとって大きなアドバンテージです。

また、シンプルながらも防水性はある程度確保されており、短時間の降雨であればしっかり荷物を守ってくれます。

ショルダーパッド・背面構造

ブリッツ20はショルダーパッドの厚みが最小限に抑えられており、まるで布のような軽さが特長。背面パッドも挿入されているものの、取り外すことで収納サイズをさらに小さくできます。

また、背負い心地はあくまで「最低限快適にする」という方向性のため、重装備には不向き。ただし、軽装での行動には適したフィット感を備えています。

素材と耐久性に関する解説

ブラックダイヤモンド ブリッツシリーズの魅力の一つに、素材と耐久性への徹底したこだわりがあります。特に過酷な環境下で使用されることを想定しているため、軽量さと耐久性を両立させる素材選びがなされています。

UHWMPE/ダイニーマ素材について

ブリッツシリーズには、UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)が混紡されたナイロン生地が使用されています。これはダイニーマとも呼ばれる超強靭素材であり、同重量比で鉄よりも強度があるとされているもの。軽量かつ非常に引裂きに強いため、岩稜帯や藪漕ぎでザックが擦れやすい状況でも穴が空くリスクを最小限に抑えてくれます。

また、登攀用のギアやアイゼンなどと接触しても傷みにくく、耐摩耗性に優れている点もポイントです。

撥水・耐摩耗性能(PFCフリー加工など)

環境配慮も意識されたPFCフリー撥水加工が施されており、雨や雪の侵入に対して一定の防御性があります。完全防水ではないものの、生地表面に水が染み込むのを防ぎ、濡れても速乾性が高いため、行動中のストレスが少ない点も魅力です。

  • 耐水圧はスペック上で公開されていないが、撥水性は十分
  • 繊維自体の密度が高く、水が侵入しにくい
  • 通気性もあり、結露しづらい

このように「軽量・丈夫・速乾・撥水」をバランス良く備えた素材こそが、アタックザックとしての信頼性に繋がっています。

生地の見直しによる新版の特徴

最新版のブリッツシリーズでは、さらに素材の耐久性と軽量性のバランスが見直されています。従来モデルに比べて縫製箇所の補強が強化され、重量を抑えつつ長期間使用できるよう設計されています。

特に負荷がかかりやすいショルダーストラップの根本や、アイスツールホルダー周辺には強化ステッチが採用されており、岩場での激しい使用にも耐える設計です。

軽量化・取り外し可能構造と機能性

ブラックダイヤモンド ブリッツシリーズは、その軽量さを最大限に活かすために、部品の取り外しが可能なモジュール構造となっています。これは登山者が自身の装備スタイルに合わせて「重さ」と「機能性」のバランスを自由に調整できる設計思想です。

背面パッド・チェスト・腰ベルトの取り外し

以下の構造は、すべてユーザーの判断で取り外し可能となっており、ザックの重量を最大限にカスタマイズできます。

  • 背面パッド:フォーム入りの薄型パネル(取り外し可)
  • チェストストラップ:ワンタッチで分離できる設計
  • ウエストベルト:簡易固定式で取り外し可能

例えば、アルパインルートでロープやアイゼンを多く持つ日はパッドを残して快適性を優先し、日帰りピストンで装備を減らしたいときにはパッドを外して軽量化するなど、柔軟に対応できます。

丸めて収納可能なパッカブル性

ザック本体の生地がしなやかであるため、非常にコンパクトに丸めて収納することが可能です。大型ザックの中に忍ばせておいて、テント場からのピークアタック時に取り出して使用するなど、用途は多岐にわたります。

パッカブル性能により、海外遠征やマルチピッチ登攀など、荷物の入れ替えが多い山行でも非常に役立ちます。

アタックザックやサブザックとして活用

軽量でコンパクト、かつ必要最低限の機能を備えたブリッツシリーズは、まさに「第二のザック」として最適です。テント泊縦走ではメインザックに忍ばせておき、山頂アタックの際に取り出して使用するサブザックとして活躍します。

また、耐久性も高いため、岩稜ルートや雪山アタックといった厳しい状況にも対応。シンプル構造のため、背負ったままの動きも非常にスムーズです。

クライミング・雪山など用途別の使いやすさ

ブラックダイヤモンド ブリッツシリーズは、過酷な環境を想定して設計されており、特にクライミングや雪山での使いやすさが評価されています。その理由は、重量バランスやギア収納、動作のしやすさといった要素が徹底的に調整されている点にあります。

シンプル設計による引っ掛かりの少なさ

ブリッツシリーズの外観は極めてシンプルです。フロントポケットやサイドコンプレッションベルトなど、外部に飛び出すパーツをあえて排除することで、岩場やブッシュ帯でも引っかかりを防ぎます。

  • 無駄な装飾なし=岩壁でもスムーズに擦り抜けられる
  • スリム設計=ボディの中心線に荷重が集まりバランスが取りやすい
  • 表面は耐摩耗加工がされており岩に擦れても安心

アルパインクライミングでは、背中の荷物が行動を妨げることもあるため、このシンプルさは非常に重要です。

グローブ装着や操作性の優位性

ブリッツ28・20の特徴として、全体の操作性がグローブ前提で設計されていることが挙げられます。冬山や高所登山では厚手のグローブが欠かせませんが、その状態でも開閉・ギア固定・調整がしやすく工夫されています。

特にクイックシンチクロージャーの開閉は、片手でも容易で、素早く荷物を取り出せる点が好評です。

雪山や岩場での実用的性能

雪山ではアイゼンやピッケルを外部に装着することが多くなりますが、ブリッツシリーズには専用のアイスツールホルダーが備わっており、確実な固定が可能です。また、雪面に置いた際にも本体が自立しやすく、荷物の出し入れがしやすい設計です。

さらに、水や雪の侵入を防ぐトップクロージャー構造や、凍結しにくい素材の選定など、細部まで気が配られています。

ブリッツ ブログ・体験談レビュー

実際にブリッツ28・20を使用した登山者の声を紹介すると、その評価は非常に高いことがわかります。

実際の山行レビューと感想

多くのレビューで語られるのが「軽くて疲れにくい」「シンプルで迷いがない」という点。例えば、北アルプスでの縦走や、八ヶ岳の雪稜ルートで使用した登山者からは、以下のような声が見られます。

【体験談】
「冬季の赤岳アタックに使いましたが、アイスツールがしっかり固定でき、グローブのままでも問題なく操作できました。軽量なのに必要機能はすべて揃っていると感じました。」

問題点や注意点(サイドベルト欠如など)

もちろん弱点も存在します。主に指摘されるのが「サイドポケットやベルトが無い」ことによる収納力の制限です。ペットボトルや行動食を外付けしたい人には不向きかもしれません。

  • サイドにストックホルダーがないため追加工が必要
  • 荷重の分散に不慣れだと疲労が蓄積しやすい

これらは「軽量・シンプル」を追求した設計のトレードオフとも言えるため、使用する人のスタイル次第では気にならない場合も多いでしょう。

比較対象との違い(他製品との比較)

例えば、山と道の「mini」や、グレゴリー「MiWok」などと比較すると、ブリッツシリーズのほうがやや尖った機能特化型であることがわかります。特に耐久性とギアホルダー機能ではブリッツが優位ですが、汎用性や収納力では他製品に分があります。

製品名 特徴 重量 適した用途
ブリッツ28 軽量・耐久・ギアホルダー◎ 約398g 冬季登山、バリエーションルート
山と道 mini UL志向・収納力◎ 約400g ハイキング、夏山縦走
グレゴリー MiWok 背負いやすさ◎・汎用性◎ 約900g トレッキング全般

このように、使用目的によって最適なザックは変わってくるため、「自分がどのような登山をするか」をしっかり見極めた上で選ぶことが重要です。

まとめ

ブラックダイヤモンド ブリッツシリーズは、その名の通り「電撃的な攻撃(アタック)」をイメージさせるほどの機動力と簡素化された設計が魅力です。

モデル 容量 重量 特徴
ブリッツ28 28L 約398g 雪山・冬季・クライミング向け万能型
ブリッツ20 20L 約360g UL志向、サブ・日帰りアタックに最適

各モデルに共通しているのは「無駄を削ぎ落とした潔さ」です。背面パッドや腰ベルトが不要な人は簡単に取り外せ、必要な人には最小限の快適性を確保。クイックシンチクロージャーやアイスツールホルダー、ハイドレーション対応など、アタックザックとして欲しい機能は網羅されています。

  • 軽量かつ強靭なUHMWPE素材
  • PFCフリー撥水加工で環境配慮
  • 収納時はコンパクトに丸めて携行可能

一方で、サイドポケットやコンプレッションベルトの欠如など、汎用性には一部課題もあり、メインザックとしては用途に制限があります。とはいえ、それを補って余りある軽快さと特化性能が、多くの登山者に選ばれる理由です。

山行スタイルに応じて最適なサイズを選び、自分の登山道具に加えていくことで、よりスマートで自由な登山が可能になります。軽量装備を目指す方も、機能を厳選したい方も、ぜひブリッツシリーズの実力を体感してみてください。