御岳ボルダー完全ガイド|初心者も楽しめるトポと駐車場情報はこれ!

mountain climbing (15) ボルダリング知識あれこれ

「週末は自然の中で思い切り体を動かしたい」「外岩デビューをしてみたいけれど、どこに行けばいいかわからない」と悩んでいませんか。都心から電車一本で行けるアクセスの良さと、初心者から上級者まで唸らせる課題の豊富さで、多くのクライマーを魅了し続ける場所があります。

それが、東京都青梅市に位置する「御岳(みたけ)ボルダー」です。多摩川の清流沿いに点在する美しい岩場は、日本のボルダリング文化の発信地とも言える歴史あるエリアです。ここでは、御岳ボルダーの魅力や攻略のポイントを余すところなくお伝えします。

  • 都心から約1時間半という圧倒的なアクセスの良さ
  • 初心者向けの低い岩から高難度の看板課題まで揃う多様性
  • クライミング後の温泉やグルメも充実した周辺環境

この記事では、初めて御岳を訪れる方が安心して楽しめるよう、駐車場情報や独自のマナー、そしてレベル別のおすすめ課題を徹底的に解説します。記事を読み終える頃には、チョークバッグを持って次の週末に御岳へ向かいたくなるはずです。

御岳ボルダーの魅力と知っておくべき基本情報

日本国内屈指の知名度を誇るこのエリアには、なぜこれほどまでに多くのクライマーが集まるのでしょうか。その理由は、単に近いからというだけではありません。歴史ある岩場の質感や、独特のコミュニティルールなど、実際に訪れる前に押さえておくべき基礎知識があります。

ここでは、御岳ボルダーが長年愛され続ける理由と、快適に登るための基本情報を5つのポイントに絞って深掘りします。初めて訪れる方はもちろん、久しぶりに再訪する方も、最新の状況を確認しておきましょう。

都心から電車一本で通える抜群のアクセス

御岳ボルダー最大の特徴は、何と言ってもその立地の良さにあります。JR青梅線の「御嶽駅」で下車すれば、そこはもう岩場の目の前です。駅の改札を出てから徒歩数分で最初のエリアに到着できるため、車を持っていないクライマーや学生にとっても非常に優しい環境が整っています。

車で訪れる場合も、圏央道の青梅インターチェンジから約30分とスムーズにアクセスできます。ただし、休日は観光客や登山客で道路が混雑することが多いため、早朝の到着を目指すのが鉄則です。移動のストレスが少ないことは、パフォーマンスを発揮する上で大きなアドバンテージとなります。

電車でのアクセスが容易なため、アルコールを楽しんで帰宅できるのも大人のクライマーには嬉しいポイントです。登った後に地元のクラフトビールで乾杯し、心地よい疲れと共に電車に揺られて帰るという、充実した休日プランが実現します。

チャートと呼ばれる硬く鋭い岩質の特徴

このエリアの岩は「チャート」と呼ばれる、堆積岩の一種で構成されています。非常に硬く、ガラス質を含んでいるため、指皮への刺激が強いのが特徴です。ホールド(手で掴む突起)はカチッとした鋭いものが多く、指先の保持力や正確な足置き技術が養われる岩質と言えるでしょう。

花崗岩のようなザラザラとした摩擦(フリクション)とは異なり、ツルツルとした面と鋭利なエッジが混在しています。そのため、初心者のうちは指先が痛くなりやすいですが、ここで登り込むことで、外岩特有の繊細なバランス感覚やホールディング技術が確実に向上します。

特徴 詳細
岩質 チャート(硬く緻密な堆積岩)
手触り 鋭いエッジやツルツルした面が多い
特記事項 指皮の消耗が早いためケアが必須

ベストシーズンと季節ごとの楽しみ方

ボルダリングに最適なシーズンは、一般的に気温が低く乾燥している冬場とされています。御岳ボルダーも例外ではなく、11月から3月頃にかけてが最もコンディションが良く、多くのクライマーで賑わいます。手が汗ばむことなく岩との摩擦を最大限に活かせるため、高難度課題に挑むならこの時期がベストです。

一方で、御岳は多摩川の清流沿いにあるため、夏場は「涼」を感じながら登ることも可能です。ただし、湿気が多く岩が滑りやすくなるため、本気でグレード更新を狙うには不向きかもしれません。夏は簡単な課題でムーブ(体の動かし方)の練習をしたり、川遊びを兼ねてエンジョイ・クライミングを楽しむのがおすすめです。

春や秋は気候が穏やかで、新緑や紅葉を楽しみながら登れる素晴らしい季節です。ただし、観光客も非常に多いため、遊歩道を歩くハイカーへの配慮や、マットを広げる場所には十分な注意が必要です。

絶対に守るべきローカルルールとマナー

御岳ボルダーは、地域住民の方々の生活圏や観光地と密接に関わっているエリアです。そのため、他のエリア以上に厳しいマナー遵守が求められます。特に「ナイトクライミング(夜間の利用)の禁止」や「指定場所以外への駐車禁止」は、アクセス問題に直結するため絶対に守らなければなりません。

また、チョークの使用に関しても配慮が必要です。登り終わった後は、必ずブラシを使ってチョーク跡をきれいに落とすことが徹底されています。岩を来た時よりも美しくして帰る「クリーニング」の精神は、御岳クライマーの誇りでもあります。

ゴミの持ち帰りはもちろんのこと、大声で騒がない、遊歩道を塞がないといった基本的な配慮も重要です。地元の理解があってこそ利用できる岩場であることを常に意識し、謙虚な姿勢でクライミングを楽しみましょう。

必要な装備と周辺のレンタル事情

外岩に挑戦するには、クライミングシューズとチョークバッグに加え、安全確保のための「クラッシュパッド(ボルダリングマット)」が必須です。御岳の着地場所は、砂地の場合もあれば岩がゴロゴロしている場合もあるため、しっかりとした厚みのあるマットを用意することが怪我の予防に繋がります。

さらに、岩を掃除するためのブラシや、指皮を保護するためのテーピング、休憩時に使うレジャーシートなども持参すると便利です。特に冬場は底冷えするため、ダウンジャケットやカイロなどの防寒対策も万全にしておく必要があります。

最近では、御嶽駅周辺のクライミングジムやショップでマットのレンタルを行っている場合もあります。マットを持参するのが大変な電車クライマーの方は、事前にレンタル情報を調べて予約しておくと、身軽に現地へ向かうことができるでしょう。

初心者におすすめのエリアと有名課題

御岳ボルダーには数え切れないほどの課題が存在しますが、初心者がいきなり高難度の岩に取り付くのは危険です。まずは足場が良く、高さも手頃な岩で外岩の感覚に慣れることから始めましょう。

ここでは、初めて外岩を経験する方や、ジムでの経験はあるけれど外岩は初めてという方に向けて、おすすめの岩と課題を厳選して紹介します。これらの課題を通じて、岩の読み方や足の置き方を学んでください。

まずはここから!マミ岩での足慣らし

御岳ボルダーに到着して、まず多くのクライマーがアップに利用するのが「マミ岩」です。この岩は高さがあまりなく、下地も比較的平坦で安定しているため、恐怖心を感じずにトライすることができます。岩の形状も多彩で、様々なムーブを練習するのに最適です。

特に「マミ岩 6級」や「マミ岩横断」などの課題は、ホールドが大きく分かりやすいため、外岩デビューにはうってつけです。ジムのホールドとは違う、岩の凹凸を探して足を乗せる感覚を養いましょう。ここでしっかりと体を温め、岩の感触を確かめることが、その日の怪我予防にも繋がります。

人気のある岩なので、週末には順番待ちが発生することもあります。譲り合いの精神を忘れず、他のクライマーが登っている時は、マットの外で安全な位置から見学(オブザベーション)を行いましょう。

人気No.1!ソフトクリーム岩の攻略法

マミ岩のすぐ近くに位置する「ソフトクリーム岩」は、その名の通りソフトクリームのような特徴的な形状をした岩です。ここにある「ソフトクリーム(3級〜4級)」は、御岳を訪れる初中級者が必ずと言っていいほどトライする超人気課題です。

この課題のポイントは、カチッとしたホールドを信じて立ち込むバランス感覚です。一見すると手掛かりが乏しいように見えますが、よく探せば指のかかるポイントが見つかります。足の位置を細かく修正しながら、重心をスムーズに移動させる技術が求められます。

完登できた時の達成感は格別で、岩の上に立った時の眺めも最高です。もし難しく感じる場合は、ラインを変えて簡単なルートから登ることも可能です。自分に合ったレベルで楽しめるのが、この岩の懐の深さと言えるでしょう。

テクニックを磨くデッドエンド横の岩場

少し上流に移動すると、上級者向けの「デッドエンドの岩」がありますが、その周辺にも初心者から中級者が楽しめる手頃な岩が点在しています。特にスラブ(緩傾斜)の課題は、腕力に頼らず足で登る基本技術を習得するのに最適な練習場となります。

スラブ課題では、ソール(靴底)の摩擦を信じて足を置く「スメアリング」という技術が重要になります。恐怖心との戦いになりますが、息を吐いてリラックスし、骨盤を岩に寄せるように意識すると安定します。

これらの岩場は、メインエリアに比べて人が少ないことも多く、静かに集中して練習したい方にもおすすめです。自分のペースで課題と向き合い、試行錯誤を繰り返すことで、クライミングの奥深さを体感できるはずです。

目指せ初段!中上級者が挑む看板課題

初心者エリアで基礎を固めたら、次はいよいよ御岳ボルダーの代名詞とも言える看板課題に挑戦しましょう。日本のボルダリング史に名を刻む名課題の数々は、多くのクライマーにとって憧れの目標となっています。

ここでは、1級から初段を目指すクライマーのために、絶対に外せない3つのクラシック課題を紹介します。これらを登ることができれば、脱初心者の証明と言っても過言ではありません。

クライマーの聖地「忍者返しの岩」完全解説

御岳ボルダーを語る上で欠かせないのが、この「忍者返しの岩」です。その中央を直上する課題「忍者返し(1級)」は、日本で最も有名な課題の一つであり、全てのボルダラーが一度は目標にするベンチマーク的な存在です。

スタートからゴールまで気が抜けないシークエンスが続き、パワー、テクニック、メンタルの全てが試されます。特に核心部となる上部のスローパー(丸みを帯びた持ちにくいホールド)の処理は、絶妙な重心移動と瞬発力が必要です。

人気課題ゆえに岩が磨かれて非常に滑りやすくなっていますが、それも含めてこの課題の難易度と言えます。休日には順番待ちの列ができることもありますが、他のクライマーのムーブを参考にしながら、自分なりの攻略法を見つけ出してください。

パワーと技術が試される「デッドエンド」

忍者返しの岩から少し上流にある、巨大なオーバーハング(被った壁)を持つ岩が「デッドエンドの岩」です。ここの看板課題である「デッドエンド(1級)」は、ダイナミックな動きと繊細な足使いが要求される名作です。

左手の一手出しが核心となりますが、そこに至るまでのアプローチや、体を振られないように固める体幹の強さが重要です。リーチ(手足の長さ)によって攻略法が異なるため、自分に合ったムーブを探る楽しさがあります。

高さがあるため、着地の安全性確保(スポッティング)が非常に重要です。仲間と協力してマットを適切に配置し、安全を確認した上でトライしましょう。完登した時の爽快感は、他の課題では味わえない特別なものです。

独自ムーブを見つける楽しさ「田中くん」

「田中くん(2級〜1級)」は、ユニークな名前と共に愛されている人気課題です。スタート位置が低く(SD:シットダウンスタート)、地面から這い上がるようなムーブから始まります。強い傾斜の中での身体の引き付けがカギとなります。

この課題の面白さは、人によってムーブが全く異なるところにあります。ヒールフックを多用する人もいれば、パワフルに正対で登る人もいます。自分の得意な動きを活かして解法を見つけ出す、パズル的な要素が強い課題です。

岩の下地が少し斜めになっている場所があるため、マットの敷き方には工夫が必要です。何度もトライして少しずつ高度を上げていく過程こそが、ボルダリングの醍醐味であることを教えてくれる良課題です。

快適に過ごすための周辺環境とグルメ

クライミングのパフォーマンスを維持するためには、休憩や食事の環境も重要です。御岳エリアは観光地としても整備されているため、コンビニやトイレ、食事処などの利便性が高く、一日中快適に過ごすことができます。

ここでは、岩場での時間をより充実させるための、周辺のお役立ちスポットやグルメ情報を紹介します。登るだけでなく、地元の魅力を味わうことも遠征の楽しみの一つです。

コンビニと買い出しスポットの活用法

御嶽駅の目の前にはコンビニエンスストア(セブンイレブン)があり、ここがクライマーにとっての補給基地となります。朝の到着時に昼食や飲み物を購入するのはもちろん、トイレ休憩やゴミ箱の利用(購入したゴミに限る)など、非常に便利です。

ただし、昼時は登山客や観光客で非常に混雑し、おにぎりやパンが売り切れてしまうこともあります。特定の食べ物が欲しい場合や、時間を節約したい場合は、地元の最寄り駅や自宅近くで事前に購入しておくのが無難です。

また、駅周辺には地元の商店もあり、手作りのお惣菜やパンを販売していることもあります。地元の味を楽しむ余裕があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。地域にお金を落とすことも、クライマーが歓迎されるための大切なアクションです。

清潔なトイレと休憩スペースの場所

長時間岩場に滞在する際、最も気になるのがトイレの問題です。御岳エリアは、御嶽駅前や発電所付近の駐車場、遊歩道沿いなどに公衆トイレが整備されており、比較的清潔に保たれています。

特に女性クライマーにとって、きれいなトイレが近くにあることは大きな安心材料です。ただし、トイレットペーパーが切れていることもあるため、水に流せるティッシュを持参しておくと安心です。

休憩スペースとしては、河原の広々としたスペースを利用するのが一般的です。しかし、増水時などは利用できる場所が限られるため、遊歩道のベンチなどを譲り合って利用しましょう。冬場は日当たりの良い場所を確保することが、体力を温存する秘訣です。

クライミング後の疲れた体を癒やす温泉

激しいクライミングで酷使した筋肉をほぐすには、温泉が一番です。御岳周辺には、日帰り入浴が可能な施設がいくつか存在します。例えば、少し移動すれば「河辺温泉 梅の湯」などのスーパー銭湯もあり、アクセスも良好です。

また、隣駅の「川井キャンプ場」や奥多摩方面へ足を延ばせば、「もえぎの湯」などの名湯も楽しめます。露天風呂から多摩川の清流や山々を眺めながら、その日の成果を振り返る時間は至福のひとときです。

温泉施設内には食事処が併設されていることも多く、地元の食材を使った料理やお酒を楽しむこともできます。クライミング、温泉、グルメの3点セットで、心身ともにリフレッシュして明日への活力を養いましょう。

安全に楽しむための注意点とリスク管理

自然の岩場には、ジムとは異なる危険が潜んでいます。怪我をしてしまっては、せっかくの楽しい休日が台無しになるだけでなく、長期間クライミングができなくなる可能性もあります。自分の身は自分で守る意識が不可欠です。

最後に、御岳ボルダーを安全に楽しむために、特に注意すべきリスク管理のポイントを3つ解説します。これらを頭に入れておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

着地の安全確保とスポッティングの重要性

外岩では、マットを敷いていても着地時の衝撃はジムより大きくなりがちです。特に御岳の河原は岩がゴロゴロしており、マットの下に隠れた石で足を挫く事故が後を絶ちません。マットを敷く際は、必ず下の状況を確認し、凹凸を埋めるように配置しましょう。

また、登っている人の落下地点を予測し、着地をサポートする「スポッター」の存在が重要です。スポッターは、クライマーを受け止めるのではなく、頭や背中から岩に激突しないように姿勢を制御し、マットへ誘導する役割を担います。

ソロで登る場合は、マットを複数枚重ねたり、無理なムーブを避けるなどの自己防衛が必要です。着地に不安がある課題は勇気を持って撤退することも、立派なリスクマネジメントの一つです。

増水時の川の危険性と天候判断

御岳ボルダーは多摩川の河川敷にあるため、上流のダム放流や大雨による増水の影響を直接受けます。普段は登れる岩が水没していたり、アプローチ(岩までの道)が水に浸かっていることもあります。

前日に雨が降った場合や、当日の天候が不安定な場合は、無理に川に近づかないようにしましょう。特に中洲にある岩へ渡る際は、流れが速くなっている場所もあるため、滑って転倒したり流されたりしないよう細心の注意が必要です。

また、濡れた岩は非常に滑りやすく、ホールドが欠ける原因にもなります。岩が湿っている場合は、潔く登るのを諦めるか、乾いている岩を探して移動しましょう。自然の状態を尊重することが、岩場の保全にも繋がります。

指皮のケアと怪我の予防策

前述の通り、御岳のチャートは非常に鋭利です。夢中になって登っていると、気づかないうちに指先から出血してしまうことも珍しくありません。出血した状態で岩を触ることは、岩を汚す行為になるため厳禁です。

こまめに指皮の状態をチェックし、薄くなってきたと感じたら早めにテーピングで保護しましょう。また、登り終わった後は、ハンドクリームなどで保湿ケアを十分に行うことで、指皮の回復を早めることができます。

指関節への負担も大きいため、入念なウォーミングアップとクールダウンを心がけてください。特に寒い時期は体が硬くなっているため、いきなり高負荷をかけず、徐々に強度を上げていくことが長く登り続ける秘訣です。

まとめ

御岳ボルダーは、アクセスの良さ、岩質の面白さ、課題の多様性において、関東近郊で最高峰のエリアです。この記事で紹介した基本情報やマナー、おすすめ課題を参考にすれば、きっと充実したクライミング体験ができるはずです。

まずは今度の週末、お気に入りのシューズとマットを持って、御岳の岩に会いに行ってみてください。自然の中で自身の限界に挑む時間は、あなたのクライミングライフをより豊かで刺激的なものにしてくれるでしょう。

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